ハンドドリップが話題、コーヒー業界の「第3の波」が到来か?

文:日本語校閲サービス【JP-PRO】

スタバを追う? コーヒー業界「第3の波」 昔ながらの自家焙煎とハンドドリップが若者を魅了

産経ニュース


日本のコーヒー業界に「第3の波」がやってきた。アメリカでは、19世紀末から1960年代頃に大量生産のアメリカンコーヒーなどが普及した。これをコーヒー業界では「第1の波」という。そしてその後、2000年頃までにスタバなどシアトル系チェーン発祥の深煎りコーヒーにミルクを合わせたラテ分化が到来する。これを「第2の波」というそうだ。そしてこのたび訪れたのが、1杯ずつ手で淹れ豆の個性や鮮度にこだわる動きである「第3の波」というわけだ。

第3の波、サードウエーブと呼ばれる動きでは、豆を品種や産地などで選び、さらに抽出方法にこだわってその個性を引き出して味わおうという分化。日本にも到来しており、深川では焙煎所を併設する店が相次いでオープンしてここ1、2年で激戦地と化しているという。コーヒー好きの女性の間で話題沸騰中だというのは米西海岸で店舗を展開している「ブルーボトルコーヒー」の日本上陸。1号店は深川の倉庫をリノベーションして来年2月にオープンする。

ただ、コーヒーをハンドドリップで1杯ずつ淹れる店は日本には昔からあった。ブルーボトルの創業者も「日本の喫茶分化に魅了されながら発展してきた」という。しかし今の若者にはとっては、むしろ一杯ずつ丁寧に淹れるコーヒーは新鮮にうつるというわけだ。

深川のコーヒー専門店を経営する江戸深川珈琲本舗の店主、岡修児さんによると、「かつては専門店だけではなくホテルなどでもドリップコーヒーを出していたが、機械化が進んで飲める場所が減った」という。しかしここ2、3年で、かつてはドリップに親しんだ団塊の世代が戻ってきた。また、スタバやコンビニなどのレギュラーコーヒーの香りを知った女性客も増えてきているという。

コーヒーの流行の波がやってきているのだろうか。

全日本コーヒー協会のしらべによると、レギュラーコーヒーの国内消費量は平成24年の33万4千トンから25年の35万4千トンに増えている。また26年も増加傾向は続いているようだ(いずれも生豆換算)。

消費量を押し上げているのはコンビニの店頭で提供される淹れたてのコーヒーだという。セブンイレブンが店内に設置する専用機器をつかってセルフ式のドリップコーヒーを販売する「セブンカフェ」をはじめ、コーヒーは日常的に飲まれるようになってきた。かつての喫煙者がコーヒーで一服するようになっているのかも知れない。

安いだけじゃない、ちょっと贅沢な「自分へのご褒美」が浸透している時代。豆や抽出方法にこだわった「とっておきの一杯」が流行るのも不思議ではない。

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