危険ドラッグのまん延が止まらない 古着屋を隠れみのに販売する業者も

文:日本語校閲サービス【JP-PRO】

「命の危険」感じてもやめられない危険ドラッグ 古着屋隠れみのに販売する業者も…

産経ニュース


服用者による事件や事故が多発し社会問題になっている危険ドラッグ。法律で規制するがそれをすり抜けるための新たな「商品」次々と作られ、その結果、売り手すら効果がわからないような文字通りの「危険な」薬物が数多く流通しているという。

そもそも危険ドラッグとはどういったものだろうか。かつては「脱法ドラッグ」や「脱法ハーブ」などとも呼ばれていたが、厚生労働省と警察庁が新しい呼び名を募集し、今年7月、「危険性がストレートに分かる」との理由から新呼称として「危険ドラッグ」が選定された。麻薬や覚醒剤に似た合成薬物を植物片に混ぜたり、あるいは水溶液で溶かしたり粉末状にしたもので、摂取すると意識障害や嘔吐、けいれん、呼吸困難などの諸症状を引き起こすという。

急速な広がりを見せる要因のひとつに、依存症になるまでの期間がほかの薬物と比べて「極めて短い」という特徴が挙げられる。ではなぜ、危険ドラッグは依存症になるまでがはやいのだろうか。ほかの薬物とは違い、危険ドラッグは複数の成分が混ざっているのが特徴。その結果、各成分が脳のさまざまな部位に作用することで、意識障害などを起こしやすく、かつ依存も進みやすいというのだ。

今年7月、薬事法で規制されている指定薬物入りのハーブを販売目的で所持していたとして、栃木県内の洋服店経営者が逮捕された。古着を販売しているかたわら、顔見知りに販売していたというのだ。逮捕のきっかけとなったのは服用者の異常行動からだった。ギニア人の男が今年の3月、女性に突然抱きついたとして逮捕された。調べに対しこの男は、「ハーブを吸った」と供述し、購入先としてこの古着販売店が判明した。

栃木県警組織犯罪対策2課によると、危険ドラッグを服用して病院に搬送されたり警察に通報されたひとは4月から9月までに20人以上いるが、危険ドラッグと特定できなかった事例もあり、実際にはもっと多い可能性もあるという。また県薬務課によると、今回摘発された店意外にも危険ドラッグを扱う店は少なくとも3県確認しているというが、使用者の数や販売量などは不明、実態はつかめていないという。

危険ドラッグはますます広がりを見せるが、取り締まるための法整備その他の対策は、まだまだこれからだ。

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