日本の「和紙」がユネスコ無形文化遺産に登録される

文:日本語校閲サービス【JP-PRO】

「和紙」無形文化遺産に 細川、本美濃、石州 和食に続き伝統再評価

スポニチ


パリで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会は27日、「和紙 日本の手漉和紙技術」の無形文化遺産登録を決定した。これは昨年の「和食」に続く登録だ。政府は、日本の伝統文化の再評価や海外発信に弾みがつくとして期待している。

日本の無形文化遺産の登録は全部で22件。今回は、国の重要無形文化財に指定されている細川紙(埼玉県小川町、東秩父村)と本美濃紙(岐阜県美濃市)を、登録済みの石州半紙(島根県浜田市)と一括登録して名称を「石州半紙」から「和紙」に変える形であるため、総件数は変わらない。

和紙は「破れにくい」ことを特徴としており、江戸時代には細川紙はふすま紙など庶民の生活必需品、石州半紙は大阪商人の帳簿用紙として重宝されていた。また、本美濃紙は古くは飛鳥時代の戸籍用紙にも使われていたという。

ユネスコ無形文化遺産とは、2003年のユネスコ総会で採択され、2006年に発効した「無形文化遺産保護条約(無形文化遺産の保護に関する条約)」に基づいて保護されている無形文化遺産。世界各地の歴史や風習に根付いた伝統文化を保護することを目的としており、世界を冠しない「無形文化遺産」が正式名称となる。

無形文化遺産が対象とするものは、人々の観衆、描写、表現、知識、技術、そしてそれらに関連した器具、物品、加工品、文化的空間である。建造物など形あるものである世界遺産に対し、無形文化遺産は「形にならない」人間が持つ知恵や習慣などがこれにあたる。

日本の無形文化遺産の登録は2008年から始まり、現在までに以下の22件がある。

・能楽(のうがく)
・人形浄瑠璃文楽(にんぎょうじょうるりぶんらく)
・歌舞伎(かぶき)
・雅楽(ががく)
・小千谷縮・越後上布(おぢやちぢみ・えちごじょうふ)
・日立風流物(ひたちふりゅうもの)
・京都祇園祭の山鉾行事(きょうとぎおんまつりのやまほこぎょうじ)
・甑島のトシドン(こしきじまのとしどん)
・奥能登のあえのこと(おくのとのあえのこと)
・早池峰神楽(はやちねかぐら)
・秋保の田植踊(あきうのたうえおどり)
・チャッキラコ(ちゃっきらこ)
・大日堂舞楽(だいにちどうぶがく)
・題目立(だいもくたて)
・アイヌ古式舞踊(あいぬこしきぶよう)
・組踊(くみおどり)
・結城紬(ゆうきつむぎ)
・壬生の花田植(みぶのはなたうえ)
・佐陀神能(さだしんのう)
・那智の田楽(なちのでんがく)
・和食 日本人の伝統的な食文化
・和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術

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